公然わいせつの容疑で、写真家・篠山紀信氏の事務所を家宅捜索。押収物を運び出す警視庁の捜査員=平成21年11月10日午後、東京都港区赤坂(奈須稔撮影) 巨匠の“ゲリラ撮影”に待った−。屋外でヌード写真集の撮影をしたとして、警視庁は今月10日、公然わいせつの疑いで写真家の篠山紀信さん(68)の事務所などを家宅捜索した。写真集には墓石の上に全裸のモデルが立つカットもあり、無断で撮影に使われた現場の管理者からは驚きととまどいの声があがっている。一方で、写真界の第一人者への捜索が社会に与えた衝撃は大きく、さまざまなヌード写真が発表される中で「なぜこの撮影が問題視されたのか」との疑問の声も。本人は沈黙を守ったままだが、警視庁は立件に向け押収品の分析を進めている。捜査当局が目を付けた「問題点」とは…。(滝口亜希)墓石、線路、住宅街…夜間に都内各地でゲリラ撮影 墓石の上で直立し、カメラの方を振り返るモデル