昨年の1月末、筆者はマケドニアの投資担当大臣と国営電力会社の会長を連れて、日本の会社をいくつか回っていた。帰国後、対談に応じてもらった何人かの日本の経営者から「“思考の枠の外”にある国について、気づきを与えてくれてありがとう」というお礼メールをもらった。 多くの日本の読者にとっても、恐らく“思考の枠の外”にあるであろう、マケドニアとはどんな国なのか。まず地理的には、ギリシャ、ブルガリア、アルバニア、セルビア及びコソボに囲まれている内陸国である。 旧ユーゴスラビア時代は、前回のボスニア・ヘルツェゴビナと並び経済発展が遅れており、先進国のスロベニアとの経済格差は6倍以上あったと言われている。また、この国の公用語は、マケドニア語で、ロシア語やブルガリア語と同じく、キリル文字が用いられる。 有名人では、アルバニア人のマザー・テレサの出生地としても知られている。マケドニアでは、今でも人口の4分の1が