時は令和16年。下級国民強制労働所からの帰り道。今日もお腹が減ったが、食べるものなんてなにもない。会長は政府から配給されるコウロギパンをもらいに今日も列へと並ぶ。今のコウロギパンはコウロギの配合率が95%らしい。ほぼコウロギじゃねぇか。 コウロギも強制労働もうこりごりだ。いつまでこんな生活を続ければいいんだ。上級国民は俺たちを鳩か何かだと思っているのかよ。 久々に野菜が食べたい。公園に生えているどくだみとか、たんぽぽみたいな得体の知れない草どもはたくさんだ! ヨモギとかそういうメジャーなやつが食べたい!メジャーで美味しいやつが食べたい。人間の食べ物が食べたい。でもヨモギの生えている公園と俺と付き合ってくれる女の子はなかなか見つからない…。 そんな時に会長は思い出した。あの15年前の彼女(妄想)との別れ、爽やか夏の風と安倍晋三。そしてヨモギやトリカブトの生えていたあの公園のことを。 ヨモギを