2020年東京五輪・パラリンピックのボートとカヌー(スプリント)の会場見直し問題で、選手側からは彩湖(埼玉県戸田市)を推す声が多く上がっている。1964年東京大会の会場に近く、現在の計画の「海の森水上競技場」で問題視されている風や波などの心配が少ないからだ。東京都の調査チームは長沼ボート場(宮城県登米市)を最有力としており、東京都の小池百合子知事と宮城県の村井嘉浩知事が12日に会談したが、現場は「彩湖にも目を向けて」と訴える。 彩湖に近い64年東京五輪ボート会場、戸田ボートコースには大学など約30団体が艇庫を置き、五輪の遺産が根付く。五輪5大会に出場した武田大作さん(42)は、以前から彩湖を推していた。「ボート界の財産として大会後も活用できる。長沼では20年以降の青写真も描きにくい」と指摘する。 カヌー選手にも拠点としてなじみがある。五輪3大会に出場し、現在は大学生らを指導する北本忍さん(