投資顧問会社「AIJ投資顧問」の企業年金消失問題に絡み、旧社会保険庁(現日本年金機構)幹部23人の厚生年金基金への再就職が判明したが、ノンキャリアを含めると05年当時、全国約500の厚生年金基金に600人以上の同庁OBが天下っていたことが、毎日新聞の入手した資料で分かった。その約7割は資産運用の責任者を務める常務理事だった。AIJは同庁OBのネットワークを営業に利用したとされ、小宮山洋子厚生労働相は実態を調査する方針を示しているが、その大枠が判明した。 社保庁OBらでつくる親睦団体が05年12月に作成した内部資料を毎日新聞が入手した。 05年度末時点で厚生年金基金は全国に687あったが、内部資料によると、このうち約500の基金に旧社保庁職員600人以上が再就職。その約7割が、通常は基金の運用責任者を務める常務理事、約2割は事務長や事務局長で、複数のOBが同じ基金に再就職していたケースも