先週の大学の講義では日本企業を取り上げ、さまざまな戦後日本企業の特徴を解説しました。その中で、日本企業の大きな特徴のひとつとして独特のコーポレート・ガバナンスが上げられます。特に、最近では企業の社会的責任 (CSR) と呼ばれる考え方です。私はこのステークホルダーを幅広く捉える考え方は社会的推移率を成り立たせにくくする傾向があり、結局、もっとも情報量の多い経営者に有利なガバナンス形態であろうと考えているんですが、今日は、ゴールデンウィークですることもなくヒマですので、少し、この社会的推移率に関してアローの不可能性定理を取り上げてみたいと思います。 まず、日本の経済学では不可能性定理と呼ばれているんですが、正しくは一般可能性定理 (General Possibility Theorem) です。この一般可能性定理や一般均衡に関する業績によりアロー教授は1972年にノーベル経済学賞を授賞されて
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