記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 軍事や軍隊の存在価値は「戦争回避」 新たな視点で「永田鉄山」研究を進めている森靖夫・同志社大学准教授 さらに、永田は当時の指導者層の結節点に位置するキーパーソンでもあった。「紳士的」「合理適正大居士」などと言われ、政官界や経済界に幅広い人脈を築いていた。そうした永田が勝つためのデザインがどうしてもできないと悟ったならば、豊富な人脈を駆使して戦争阻止へ全力を尽くしただろう。 「永田鉄山」(ミネルヴァ書房)を著した森靖夫・同志社大准教授は、永田が目指す国家総動員体制を「『国民の戦争』であり、軍部が国民を戦争へひきずるものではなかった」と分析する。若い頃の永田は「平和の維持は軍人の最大の務め」と日記に書き記していたという。「平時から軍隊を鍛え外国に軽んじられないようにしておけば、戦争