連載インタビューでこれまでに9人の識者が語った。言葉の端々から、工学部の教育と研究の強みが削がれようとしていることを読み取ることができた。では、日本は、この工学部の退潮を看過してもいいのか。日本から世界への輸出額は、2007年にドルベースで年間約7100億ドル。そのうち、一般機械、電気機器、輸送用機械、化学製品を含む工業製品の占める割合は実に75%に上る。日本の製造業を人材面でいかに支えるか、新たな戦略が求められる。 日本の各メーカーは、工学部衰退を喫緊の課題として既に動き出している。日経ビジネス誌8月18日号特集「さらば工学部 6・3・3・4年制を突き破れ」の連動インタビューシリーズの最終回では、松下電工生産技術研究所の小畑外嗣所長から、現役の技術者の視点で日本の大学工学部への注文を語ってもらった。 心配でない面からお話ししましょう。 第1は、まだまだ日本において本来の意味で産官学のシナ