経営者にとって、情報システムは頭痛の種になりがちだ。業務に必須だが投資に見合った効果が出るとは限らない。ほかの設備投資に比べて専門的で難解でもある。 野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務め急成長を支えた著者が、ベンダーとユーザー両方の視点から、“システム屋”の思考回路と、上手な付き合い方を説く。 前回(「1人月150万円」が「年収1800万円」ではない理由)では、情報システム構築の請負契約について、システム会社の取り分が大きく、技術者の取り分が売値の半分以下にとどまっている構図を説明しました。さらに、人数と期間の積(人月)で売値が決まる問題点に触れて、大きな違いがあるはずの「情報システム構築サービス」と「引越しサービス」で同じ売価決定方式が採用されていることに対する疑問を提示しました。 結論から言えば、情報システム構築サービスは