鎌田氏との対論 印刷業界を電子出版ビジネスの実際の担い手と考えていただけるのは大変うれしいのです。しかし、しかしです。印刷業界にとって、すくなくなったとはいえ、稼いでいるのは「紙に印刷」する部門です。何度も主張している通り、デジタル化してIT化して、生き残れる印刷会社は、おそらく極めて少ない。元々、ITをビジネスにできる印刷会社が多くない。しかも、今のところは印刷業界はデジタルコンテンツの作成といったビジネスに一日の長がありますが、おっしゃるようにデジタルは参入障壁が極めて低い。コンピュータ一台でいくらでも参入できる分野です。とすると、印刷業界でなくてもかまわないということなのです。 だから、「抵抗勢力になって、電子書籍の発展を阻害する」側になってでも、既得権益を守るという発想に陥ってしまう。なぜなら、ITに向かって進むことは、ライバルも多く、また多くの新たなことを学ばねばならない茨の道で