女性スポーツ選手は指導者からのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を甘受しがち−−。大阪府立大の熊安貴美江准教授(スポーツとジェンダー研究)らが、全国水準の女性選手と男性指導者に実施した調査で、こんな傾向が浮かび上がった。熊安准教授は「指導者との上下関係のなかで、選手はセクハラを受け入れるか競技をやめるか、選ばざるを得ない場合が多い」と警鐘を鳴らしている。 ◇指導者との上下関係が影響 熊安准教授らは07〜08年、国体の結団式に参加した選手団などに調査票を配布。スポーツの場でのセクハラに関する意識や経験の有無などを尋ねた。女性選手144人(10〜40歳代)と男性指導者577人(20〜70歳代)からの回答を分析し、「日本スポーツ社会学会」で発表した。 それによると、女性選手の半数を超す52%が男性指導者から「容姿に関する発言」をされたことがあると回答。96%の選手が「不適切な行為」という認