日経ニューメディアは2007年3月19日に,「日本の著作権とコンテンツビジネス──関係者が明かす課題と展望」と題したセミナーを開催した。日本のコンテンツビジネス市場を活性化するためには何が必要かを,4人のキーパーソンに解説してもらった。本稿では,文化庁長官官房著作権課長の甲野正道氏の講演を基に,日本の著作権法が抱える問題や,その解決への取り組みなどを紹介する。 現在、政府の知的財産基本法に基づいて見直しが進められている「知的財産推進計画2006」について,一般からの意見募集が終わったところである。私見と断ったうえで,「どうなる?日本の著作権問題」というテーマで行われた甲野氏の講演は,見直しの中核ともいえる文化審議会著作権分科会における検討事項の説明から始まった。 その第1は,デジタル社会において新たなビジネススキームの構築支援を行うことである。通信回線の大容量化と低コスト化によって,放送サ