(創業直後の)ネットベンチャーの経営者には「我が社には天才エンジニアがいる」と語る人がとても多いのが昔から気になっていました。ほとんどそうです。ということは、天才も「一社に一人」という時代になったのでしょうか。一家に一台、自動車じゃあるまいし。 この疑問に答え(仮説)が見つかりました。 ■1.能力を判断する能力の不足 そのネットベンチャーの社長がエンジニアではない場合。エンジニアではない経営者に、エンジニアの技術力を評価する能力があるのか、ということです。 社長は社内のAさんとBさんの比較はできるでしょう(それすら怪しい場合もありますが)。しかし、それと世間の水準には何の関係もない。Bさんより優秀なAさんが、世間の平均より下かもしれない。ですから、投資家の観点で見たときには、社長が「我が社の天才エンジニア」と呼んでいるAさんは、たんに「我が社でいちばん優秀なエンジニア」に過ぎない場合があり