有名大学の大学院を修了した大企業のエリート技術者。誰もがうらやむその地位は心の病であっけなく崩れ去った。企業社会の住人であれば、彼の悲劇は決してひとごとではないはずだ。 日本人の誰もが知る大手電機メーカーに勤務していた藤野二郎さん(仮名)は現在、生活保護を受けながら適応障害を治療中だ。有名私立大学の大学院でコンピュータサイエンスを学んだエリート技術者が、そこまで追い込まれるまでには何があったのか。 私が社会人になったのは1990年代の初め。まだ日本の電機メーカーが隆々としていた時代です。 大学には系列高校から内部進学しました。理系科目が得意だったので理工学部を選び、大学院にも進学。父もエンジニアだったため、子どもの頃から自然とそれが進むべき道だと思っていました。 配属先はソフトウエア開発系の部署で、内容はマルチメディア関連の先行研究です。この会社は成果主義の導入に先鞭をつけ、平社員
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