2023年7月21日のブックマーク (4件)

  • されど われらがヘヴン|北条裕子『美しい顔』感想、のようなもの――小説とはなにか、という問い

    無料公開版の北条裕子『美しい顔』を読んだ。 その結果、頭に浮かんでは通り過ぎていったものを、通り過ぎていったまま、とりとめもなく書き連ねていこうと思う。だからこれは、どのような結論にたどりつくことも目指さない、ごくありきたりな『美しい顔』の感想、のようなものである。 正直ぼくは、賞ごとに関わる文学作品にほとんど興味を持たなくなっていたし、この作品が芥川賞候補になった時点でも、特に関心が向くことはなかった。そこには、二十年来小説家を自称しつつも、一度たりとて陽を浴びたことのない無名作家の、たった一作か二作で世に躍り出て華やかなスポットライトを浴びる作家に対する下卑た感情もあったりするのだが、そこには踏み込まずにおこう。 しかしながら、近年、一新人の文壇デビュー作がこれほどまでに議論の俎上にのったことはなかった。そういう意味では、まちがいなく『美しい顔』はひとつの〝事件〟であり、そこに、先ほど

  • https://jinbunxshakai.org/journal/02/002003.pdf

    kazenezumi
    kazenezumi 2023/07/21
    「被災地」を前にした小説には何が可能なのか 北条裕子「美しい顔」における問題点と可能性 加島 正浩
  • 「美しい顔」の「剽窃」問題から私たちが考えてみるべきこと

    第159回芥川賞の候補作となった北条裕子「美しい顔」が、他人の作品から表現の「盗用」を行っているのではないかと指摘を受け、議論になっている。「美しい顔」は六月号で発表された群像新人文学賞の受賞作で、選評でも激賞とも言える高い評価をえていた。直後の文芸批評でも軒並み高い評価だったといっていい。私も現在担当している『文學界』の新人小説月評で、前半期の第一位に推した。 作品は、東日大震災とその被災者の姿を直接的に描いている。主人公は津波で母を失うことになり、幼い弟とふたりで生きて行かざるをえなくなる女子高校生サノ・サナエである。地震の発生、町を襲う津波、押し流される家々と人(友達も)、避難所生活、そこに闖入してくるメディア、見つからない母とその遺体との対面、強いストレスにさらされながら必死で生きる弟、そして親戚のもとへの避難。こうした一連の出来事が小説の主筋である。作品は、サナエの主観性の強い

    「美しい顔」の「剽窃」問題から私たちが考えてみるべきこと
  • キュレーションサイトの問題は、リサーチャーすべてが直面している問題じゃないのか - 日比嘉高研究室

    キュレーションサイトをめぐる一連の騒ぎをみていて、これって実はリサーチする人間のほとんど全員が直面している問題じゃないかなぁと思ったので、そのことについて少し書いてみます。 なお、以下「キュレーション」という言葉をネガティブな文脈の中で使いますが、この言葉・作業は来もっとクリエイティブでありうるものです。(参考:美術作品を世の中につなぐ高度な専門職がキュレーター|ojo) 以下目次です。 ウェブ完結型リサーチ キュレーションサイトは「正しい」 すべての調査者が直面するウェブ完結型リサーチの誘惑 結果としてどうなるか 欲望が複製される リサーチの貧窮化 嘘がまかり通る どうするべきなのか ウェブ完結型リサーチ 今回の騒ぎの中で、何人かのライターや編集担当の証言が出てきました。 1円ライターから見た、キュレーションサイト「炎上」の現場 « マガジン航[kɔː] 「MERY」記事量産、経験者が

    キュレーションサイトの問題は、リサーチャーすべてが直面している問題じゃないのか - 日比嘉高研究室