【ストックホルム=阿利明美】8日に開かれたノーベル物理学賞の受賞記念講演を日本語で行った益川敏英・京都産業大教授(68)。普段は「英語ができなくても物理はできる」と言い切っていたが、講演後には「英語は話せるに越したことはない」と語り、英語の大切さを認めた。 益川さんは、ほかの受賞者たちとの意思疎通にも、もどかしさを感じているのか、「科学者ですから、世界中の人間とコミュニケートしないと。英語がしゃべれたら、できたんだけどね」と残念そうに語った。 益川さんの原稿を英訳し、講演時には舞台の近くで進行に合わせて字幕を切り替えた九後(くご)太一・京都大教授(59)は「物理学に必要なのは数式で創造的に考えること。日本で理論物理学をやるのに、英語力は本質でない」と擁護したが、「海外の研究者と議論するのには話せた方が良いですね」とも話した。