この著者の本を読むのは初めてではない。なので、怖さはある程度予測できた。それでも、幾度となく背筋が凍る思いがした。この本で語られている現実は、人生の選択において誰もが避けたいと考える結末である。社会からの孤立。家族と無縁で、友達はゼロ。そして、誰にも気づかれることなく、自室でもがき苦しみながら溶けていく孤独死。 本書は、前著『超孤独死社会』に引き続いて、現代日本の凄絶な孤独死現場を取材し続ける気鋭のノンフィクションライターによる最新レポートである。孤独死がメインなのは変わりないが、本書では血縁・友人知人関係といった人間どうしのつながりの希薄さに重心が置かれている。 たとえば最初の章にこんな場面がある。37歳の西良太(仮名)が、親の最後の後始末を代行する一般社団法人LMNの代表・遠藤に向かって堰を切ったように自分の半生を語っている。 自分には絶縁状態の親がおり、父親はすでに自殺している。その