国政から地方選まで、選挙があればどこへでも行き、選挙の面白さを伝え続けてきたフリーランスライター・畠山理仁。 その取材の決め事は「候補者全員を取材できなければ記事にしない」というもの。 ふだんは光が当たりづらい候補者たちの多様さを世に伝えてきた。選挙取材歴は20年を超え、それらを書籍にまとめた『黙殺 ~報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い~』(集英社)は、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞、高い評価を受けた。そんな畠山の肩越しにカメラを据えると、一体どんな世界が映り込むのか。 2022年7月の参院選・東京選挙区で34人の候補者全員への取材を試みる畠山に文字通りの“密着取材”を敢行した。 破天荒で個性的な候補者たちが垣間見える一方で、1人で選挙現場を走り回る畠山の睡眠は平均2時間という多忙さ。 本業である原稿書きもままならず、選挙取材に熱を入れるほど、経済的に苦しくなるという本末転倒