人生の「どん底」で苦しんで 患者と医療者が「横の関係で」 スタッフも当事者だからこそ 回復への力、最大限発揮しやすく 薬物やアルコールの依存症経験者が立ち上げ、運営する医療機関「絆愛(はんな)こころクリニック」(心療内科・精神科)が沖縄県北谷町吉原にある。代表に加えて、看護師やカウンセラー、精神保健福祉士、事務員らが依存症をはじめとする精神疾患を経験した当事者で、医師は運営サポートに徹する。日本の精神医療に新風を吹き込む、全国でも異例のクリニックだ。(文=デジタル編集部・篠原知恵、写真=写真部・金城健太) 代表を務めるのは、薬物・アルコール依存回復者の杜宙樹(本名・森廣樹)さん(61)。10代で薬物に手を出し、覚醒剤やアルコールにのめり込んだ30代で「人生のどん底」を見た。