現実となった“夢物語”の舞台裏 全員で走り出した。それは長いプロ野球の歴史を紐解いても、今まで見たことがないような光景だった。普段は、しのぎを削り合うパ・リーグの選手たち全員が笑顔でライトゾーンまで駆け寄ると肩を組み合った。7月15日、ZOZOマリンスタジアムで行われたオールスター第2戦。出場したパ・リーグの全選手がマリーンズ勝利の名物「WE ARE」をコール。選手たちとファンによる「WE ARE パ・リーグ」が、真夏の夜空にこだました。その場にいた人にとって忘れることのできない風景がそこには広がっていた。 「昨日、友達からメールがありました。『今日、WE AREをするの?』って。みんな期待していますよねえ。やりたいですねえ……」 試合前の事。ZOZOマリンスタジアム入りし、ロッカールームに到着した鈴木大地内野手がボソッとつぶやいた。それは私も思っていたことで、今、まさに相談をしようとして