まえがき 岸政彦 あの時の東京はね、お店の正面に「沖縄者お断り」って書いてあったんだよ。野蛮人と言ってから 聞き手=安里優子(五七) 語り手=母・池原春子(八四) 「おい、比嘉君ね、これからが僕らの時代だよ」って言うんだよ 聞き手=安里百合香(六一) 語り手=安里繁雄(九一) おじー必ず、運転したいって言ってさ、どうしても運転したいって 聞き手=東春奈(三六) 語り手=父(七二) 爆弾の破片とか、買いに来る業者がいたわけ。家にね。そこの業者さんに売ったりしてた。小遣い稼ぎ。一キロ売ったらいくらだよということで 聞き手=安谷屋佑磨(二九) 語り手=父(六二) 耕運機買うのも、吉本家が初めて。開墾するのも、吉本が初め。みんなやらないわけよ、こんなの 聞き手=荒井聡(三九) 語り手=吉本良子(九七) なんでないのって聞いたら一番上の兄が(給料を)そっくり持っていってあるわけよ 聞き手=新川真奈美