■スカウトに問われるのは人間的な魅力 気になる選手が一人いた。 名古屋グランパスでスカウトを務める巻 佑樹である。彼は2006年ワールドカップ・ドイツ大会のメンバー入りを果たした巻 誠一郎の弟で、2007年に名古屋に加入して以来、兄にも似たパワフルなFWとして、あるいはそのフィジカルの強さを駆使したセンターバックとしても活躍した。ところが2012年、選手盛りの28歳にして突如として引退を発表し、スカウトというセカンドキャリアに挑戦するという。 スカウトとは、クラブの「強化部」に所属する裏方である。将来の戦力となり得る高校生や大学生を発掘することはもちろん、他クラブの選手にも目を光らせ、「戦力」という観点からいかにチームを強くするかを考える仕事だ。 この仕事で問われるのは、人間的な魅力だ。プロの世界はすべてのサッカー少年にとっての憧れとはいえ、早ければ20代前半でクビを切られてしまう
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