バチン! バチン! 昼下がりのティールームで、ラモス瑠偉が右の拳を左の掌に打ちつけて、激昂している。 「どういうことだよ! なんでやねん!」 それまで滔々とNumber創刊35周年記念号の取材に答えていた彼が突如として怒りをあらわにしたのは、インタビュー開始から90分近くが経過した頃だった。 怒りの矛先は、日本人――とりわけ、スポーツを取り巻く日本のメディアに向いていた。 「天才、って日本人がよく使う言葉だけど、その言葉の意味が僕はまだ理解できない。メッシは天才。クリスティアーノ・ロナウドも天才。これは世界中の人が認めてる。わたしの考えだと、ネイマールは彼らに近いけど、まだ天才のレベルには達していない。なのに、日本代表でレギュラーになれてない柿谷(曜一朗)が天才ってどういうことよ!」 「クビにならないために、どれだけ壁を相手にボールを蹴ったか」 彼の言い分によるとこうだ。1977年に20歳
![「日本に天才がいるとしたら……」ラモス瑠偉が認める本物のMFとは。(Number編集部)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/50cf1cb9a98b24d21c9bf66a7a199c94f910c30d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Fc%2F-%2Fimg_4c5d7228f984027a08aac11a2a602280294795.jpg)