私は昨年12月、ビットコインに投資して194億ドル(約2兆円)の利益を生み出した投資家の話を紹介する米誌タイムの記事を読んだ。 どのような形態であれ、通貨に投資して利益を生み出している人の話を聞くと、私は悲しくなる。こうした投資活動は、世界を全く改善させないからだ。難病の治療法の発見、生活を豊かにする画期的な新技術の開発、雇用の数や質の向上、世界の生活水準の改善などにはつながらず、成功を享受するのは投資家だけだ。 こうした類いの投資は単なる資本主義の一部だと言う人もいるだろう。おそらくそれは正しいのだが、他者を顧みずに自分にとって最大の「勝利」だけを目指すのは完全な利己主義ではないか。私には、この行動が何かの役に立つとも、健全な傾向だとも思えない。 私と同じ考えを持っていたのが、2001年の映画「ビューティフル・マインド」でラッセル・クロウが演じた米国人数学者、ジョン・ナッシュ教授だ。ナッ
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