中国の月探査機「嫦娥(※注1)4号」が今年、世界で初めて、月の裏側への着陸に成功した。宇宙科学分野の最先端にいるアメリカやロシアも成し遂げられなかった快挙だ。月の裏側への着陸はどうして難しいのだろう? 裏側に着陸する目的や意味は? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』5月号に掲載された記事を紹介する。 新幹線で月まで行くと63日かかる? * * * 月はいつも地球に同じ面を向けて、地球のまわりを回っている(※注2)。地球に向いた面は「表」側と呼ばれていて、月はけっして「裏」側を見せない。そのため、1959年に、ソ連(現在のロシア)の月探査機ルナ3号が写真に撮るまで、月の裏側は未知の世界だった。その後、アメリカやロシア、日本などの探査機が月を周回しながら観測し、裏側の様子も次第にわかるようになってきた。ただし