専業主婦世帯の数を共働き世帯の数が上回って久しいのに、なぜ日本では「家計を夫婦で支えるべき」という意識が低いのでしょう。さまざまな観点から国際比較を行う明治大学教授の鈴木賢志さんに聞きました。 ■家事も育児もこなしたうえで働くことが求められる 日本も共働き世帯の数が専業主婦世帯の数を上回ってからすでに20年ほどがたちます。それでも本当の意味で「二頭立て」で家計を支える社会にはなっていません。国際比較のデータでみると、「家計は夫婦両方で支えるべき」という意識が日本は世界で最下位です(図表1)。 その背景には、女性が働きに出ても、前提として「家事や育児もしっかりこなしたうえで働くんだよね」という男性やその親の考えが根強く残っていることがあるように思います。 確かに、夫が仕事、妻が家庭とハッキリ役割分担すれば効率は良いでしょう。妻が家事、育児の一切を担えば、家庭内での役割分担を考える必要はありま