新型コロナウイルスが学校生活に暗い影を落とす。オリンピックイヤーを迎え、「スポーツの年」となるはずだった2020年の春、子どもたちは休校で行き場を失った。 3月半ば、首都圏のあるスポーツ広場へ足を運ぶと多くの小学生の姿があった。親子でサッカーをしていた男性は「遊び場難民であふれてます。平日の昼間はすごい」と笑った。 その広場の片隅。1人で黙々とサッカーの練習に励む高校生がいた。4月から3年生のコウタ(仮名)だった。通う学校は2月29日に早々と休校を決め、部活動も休止となった。そのため毎日のように、この広場に足を運んでいた。 「春休みにいくつか大学の練習に参加する予定でしたけど、それがなくなりました。大会も何もないし、進路も心配です」 寂しそうにつぶやいた。 【表】全国高校サッカー選手権/歴代優勝校 通う高校の名前を聞けば、誰もが知るスポーツの名門校だ。近年はサッカー部もJリーガーを輩出する
豊田大谷(愛知県豊田市)の主将、村上優君(3年)は毎朝、学校が始まる前にスマートフォンのアプリに1日の目標を書き込む。 【写真】アプリでの村上優君と崎久保宏憲監督のやりとり=村上君提供 <・どんなメニューでも全員で徹底して取り組む> <・下半身を意識して上は脱力する> 「朝から気持ちの準備ができて練習前からイメージがつく。一日が無駄にならない。スマホだと書くのも早いです」 アプリは、日々の練習雑感などを記す「野球ノート」に代わるものだ。部員約50人が毎朝、コメント欄にそれぞれの目標を記すほか、睡眠時間やけがをしている部位についての項目に回答する。部員の書き込みは部員同士は見られず、監督が毎日確認している。 昨年4月、崎久保宏憲監督(34)が採り入れた。2015年に監督に就任した当初、「部員には1日の中で自分に向き合う時間を設けてほしい」と、野球ノートの導入を検討した。だが外部のアプリの存在
ドイツ人元Jリーグ監督が“部活”に抱いた違和感「練習が休みと言ったら全員喜ぶ」 2018.02.06 著者 : 加部 究 ゲルト・エンゲルス氏【写真:Getty Images】 かつて滝川二高サッカー部を指導 エンゲルス氏が見た驚きの光景 「日本では義務と趣味のバランスが悪いのかもしれない。この子たちは、練習が休みだと言ったら全員喜ぶよ」 Jリーグの横浜フリューゲルスや浦和レッズなどの監督を務めたゲルト・エンゲルスの指導の原点は、地方のクラブチームや高体連だった。 兵庫・滝川二高のコーチに就任すると、いくつかの矛盾点を見つけた。確かに高校はグラウンドがあって、毎日同じ場所で練習が出来る。1990年代初頭、まだサッカー中継が滅多にない日本で、全国高校選手権が生中継され大観衆を集めているのも驚きだった。 一方で100人近いサッカー部員は、毎日長時間の練習を続けているのに、大多数が公式戦を経験せ
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