4月3日、労働基準法の改正法案が閣議決定された。特に問題がなければこの後に待っている国会審議も与党多数の状況で可決されるだろう。 この法案では「高度プロフェッショナル制度」を導入し、年収1075万円以上の高度な知識を使う専門職について、残業代の支払い対象から除く事となっている。これによって「労働時間ではなく成果で報酬が決まるようになる」と報じられている。 「残業代ゼロ法案」「過労死法案」と一部でひどく評判が悪いが、一部報道もこういった反対論もかなりの誤解、勘違い、間違いを含んでいる。 改正法案の話をする前に、なぜこういった法案が出てきたのか、現在の状況を丁寧に解きほぐして考えてみたいと思う。■労働時間=成果=報酬? 従来、労働時間は成果に直結し、それが報酬となっていた。つまり「労働時間=成果=報酬」ということになる。 しかし現在、労働時間は必ずしも成果とは直結せず、結果として労働時間に応じ