前編ではインターオペラビリティとプロセス・セントリックITという2つのキーワードを説明した。後編では残りのキーワード,インフラ・バーチャリゼーション(仮想ITインフラ)とシステム開発プロセスの工業化,円滑なコラボレーション,エンタープライズ・モビリティという4つのキーワードを取り上げる。これら6つの要素を考える中で,遠くない将来に実現するであろう「エンタープライズ2.0」の具体的なイメージが浮かび上がってくるはずだ。 特定のハードウエア・プラットフォーム上で動作し,個別のビジネスプロセスを実行するアプリケーションとして設計された既存の企業システムには3つの問題点があると前編で指摘した。そのうちシステム間連携,ビジネスプロセスとアプリケーションの関係についてはすでに言及したが,残る3つ目の問題点はハードウエア一体型アプリケーションの持つ非効率性である。 「多くのシステムはピーク時に対応できる