やる気が出ない。 平日の昼過ぎ、僕は研究室でぼんやりとパソコンの画面を眺めている。 「やるきがでない」と打ちこんで検索してみると、「やる気が出たから行動するのではない。行動するからやる気が出るのだ」という言葉が出てきた。なるほど? 僕はしかたなく書きかけの論文ファイルを開き、数行文章のようなものを書いてみた。 書いた文を読んでみたが、どうも違う気がする。 これを先生に見せても、たぶん全部ボツになるだろう。 そう思って書いた文を消した。 このまま続けてもたぶん、書いては消し、書いては消し、のループにおちいるだろう。 そうやって何も残らないけどなんか頑張った気はするという、不毛な数時間を過ごすんだ。 実はこれまで何回もそんなことをやってきたから知っている。 できないときはできないのだ。 研究室の窓からはきれいに晴れた空が見える。 きっと外は気持ちの良い秋の風が吹いているのだろう。 いっぽう僕は