アルバムを見ながらこの35年を振り返る宇都政幸さん=鹿児島県姶良市で2020年7月13日午後4時54分、菊池陽南子撮影 乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から12日で35年。宇都(うと)政幸さん(85)=鹿児島県姶良(あいら)市=にとって、それは、犠牲になった妹の忘れ形見のめいとおいを見守り続けてきた35年でもあった。事故の生存者4人の一人、川上慶子さんと兄の千春さん。事故に翻弄(ほんろう)された2人のきょうだいはともに結婚し親になった。 「あれから35年……。よう生きてきました」。古い小さなアルバムをめくりながら宇都さんはつぶやいた。そこには北海道旅行を楽しむ妹一家4人の姿が何枚も収められている。妹の和子さん(当時39歳)、夫の英治さん(同41歳)、長女慶子さん(同12歳)、次女咲子さん(同7歳)。旅行の帰りに事故機に乗り合わせ、慶子さんだけが奇跡的に助かっ