国が「人間力」なるものを定義して研究する様な時代なんだなと不思議な気持ちですね。 CDが12センチになったストーリーは有名ですが、その大前提は1970年代に世界中で広範なブラインドテストによって行われた人間の可聴領域の測定で、概ね16kHzが上限というコンセンサスが得られたため、20Hz程度まで収録可能な44.1kHzのサンプリング頻度で規格が決まった為とも言えます。 現在では、脳波やPET測定によって、より高周波の音波であっても、骨伝導や体表面を通じて無自覚に「聴こえている」ことがわかりつつあり、当時のサンプリング頻度の設定によって削ぎ落とされてしまった多くの音源の深みはもう取り戻せないことになります。 多少文化に造詣があっても、自然現象を謙虚に受け止めず、学会の権威の意見を盲信してしまったせいで、失ってしまうことがあるのだという教訓話だと思ったのですが。 教養があっても科学を理解してい