この夏、電力が最も使われる時期に多くのエリアで電力供給が足りなくなるおそれがあるとの見通しを政府が発表しました。電力需給のひっ迫はなぜ起きるのか? ここではその背景と家庭でできる対策について解説します。(監修:エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表・大場紀章) Q. 政府からの節電要請はなぜ? A. 10年に1度の猛暑となった場合の電力需要に対して、供給できる電力の余裕を示す予備率が、7月は広いエリアで最低限必要とされる3%をやや上回るだけの状況になっています。計画停電の実施も検討するとされ、政府は具体的な数値目標は設けないものの7年ぶりに全国規模での節電協力を呼びかけています。また冬季に関しては、今夏よりもさらに厳しく予備率が1%台となる見通しが示されています。 Q. どうして電力不足は起きる? A. 日本では、2019年度時点で76%の電力が環境負荷の大きい火力発電から作られて