「紙の本を読みなよ。」。帯にそんなコピーが躍る文庫本が売れている。いずれも発行から時を経たSFやミステリーの名作だが、人気アニメの作中に登場したことで、若い読者の注目を集めている。 早川書房から出ているフィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』、ジョージ・オーウェル『一九八四年(新訳版)』の4点。 フジテレビなどで3月まで放送されたアニメ「サイコパス」の中で、言及されたり背景に映り込んだりした。アニメは100年後の未来が舞台だが、登場人物の一人は昔ながらの紙の書籍を偏愛。「紙の本を買いなよ」と口にする。 このアニメのファンの一人、紀伊国屋書店新宿本店の書店員平原未来さん(27)が2月、作中で紹介された本に手書きのPOPを付けたところ、売れ行き好調。版元の早川書房が注目し、アニメの登場人物をあし