佐村河内氏の「交響曲第一番」について少し書いていて、やはりあれが大きな問題になった原因のひとつが《交響曲》を書いたということにあったのだろうかと思った。ヴァイオリンのためのソナチネとかピアノ・ソナタとかを書いただけであれば、あれほどの騒ぎにはならなかったのではないかと思う。 そんなことを考えながら本棚をみていたら「交響曲の秘密」という本があった。2005年に刊行されたもので、7人ほどの著者のコラムを集めたものの他に作曲家吉松隆氏と指揮者高関健氏へのインタビューをおさめたものである。コラムを書いている方々はおそらくかなりの音楽オタクなのではないかと推察される。 さてこの本によれば「交響曲」というのはベートーヴェンからはじまる。そしてマーラーをへてショスタコーヴィッチにいたる。ベートーヴェン以降の音楽は「純音楽系」と「不純?音楽系」のふたつにわけられる。 いわく「偉大なるベートーヴェンの影を仰