このもどかしさを伝えたい。竹下佳江から思いが溢れていた。 「今回のバレーボール、熱を感じましたか?」 8月8日に閉幕した東京五輪で、男子は29年ぶりの準々決勝進出を果たし、最終成績を7位で終えた。その一方で女子は1996年のアトランタ五輪以来25年ぶりの予選ラウンド敗退。その模様を竹下はOGとして、ロンドン五輪のメダリストとして、さまざまなメディアで伝えていた。 大会後、Vリーグのヴィクトリーナ姫路で副社長という肩書きを持つ竹下は、クラブのスポンサーや地元の支援者や多くの指導者、関係者と言葉をかわす機会があったという。その時、決まってこう言葉をかけられた。 「男子は希望が見えて面白かったけれど、女子は厳しかったですね」 この言葉を、竹下自身は重く受け止めている。 「正直に言えば危機感しかありません。銀メダルを獲得した女子バスケ、見ていても楽しそうで、気持ちがいいチームでしたよね。でも、ただ