安田さんはウイルスの増殖機構を調べることで、抗ウイルス剤に応用できないかと考えている。その一方で、科学警察研究所での研究開発として、「モバイル型生物剤検知システム」を作り、現場に投入するのに成功した。 では、これからの研究、これからの課題としてどのようなものがあるだろうか。 これも盛りだくさんなので3つのテーマに絞る。 ひとつめは、日本国内の新興ウイルス。 「国内で最近見つかったSFTSウイルスというダニが媒介するウイルスに注目しています。2012年の末に山口で患者さんが亡くなったことで知られました。『重症熱性血小板減少症候群』という舌かみそうな病名がついてるんですけど、これは、もう症状からいくと、ほとんどクリミア・コンゴ出血熱と一緒なんですよ」 このウイルス病についての報道は知っていた。シカなど野生動物についているマダニが媒介するそうで(イエダニは媒介しないのでその点、ありがたい)、実は