音波の指導で気になっていること 北海道札幌啓成高等学校 石川 昌司 高校で音波を指導する場合,そのほとんどが縦波の変位を横波に変換して扱っている.確かにそれで問題がないことが多いのは事実だが,音波の反射や干渉関連の一部の問題では,縦波としてしっかり理解していないと事実認識を誤る恐れがある.その理由は,変位波が本質的にベクトル波であるからであるが,もし音波を密度波で扱うなら,これらの問題の大部分を比較的簡単に解消できるのではないだろうか. 1. 気柱の端で反射する音波の問題 今,ウエーブマシンで,図1(a)のような「山ひとつ谷ひとつ」の一波長分のパルス波を作り,固定端に入射させたときの反射波の実験を行うとする.固定端で反射された後の反射波は位相が反転するから,波の先頭の「谷」は「山」に,続く後ろの「山」は「谷」になって跳ね返る.すなわち,反射波の波形は左が山で右が谷になる(進行方向が逆になる
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