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ブックマーク / shionandshieun.hatenablog.com (6)

  • 見守ってくれた街の近くで - 私のエッジから観ている風景

    誰にでも「ふるさと」と言えるものがあると思う。私みたいなディアスポラは必ず「ふるさとはどこなんだ」という不毛な論争をしてしまう。そんな争いにうんざりした私は「オクニは?」と質問されても「うーん、今住んでいるところですかね?」とやり過ごす。そんな私でも「ここはふるさとなんだ」と思える空間が1箇所だけ存在する。それは東上野のコリアンタウンだ。 我が家では必ず夏と冬にコリアンタウンにある韓国材店でチャンジャとゴマの葉の醤油漬けとにんにくの醤油漬けを買いに行く行事がある。この夏と冬の行事を私は毎年、楽しみにしていた。ニンニクの臭いがきついのでどうしても学校が無い夏休みと冬休みの時期にしかべられないからだ。 私が通う店にはたくましそうなお母さんが居て、そのお母さんが店を仕切っている。そんな空間を見る度に「帰って来たなぁ。」と思いながら、いつもの品を買って行く。 今でも大事な人への贈り物はこの店

    見守ってくれた街の近くで - 私のエッジから観ている風景
  • 色の無い世界への入り口 - 私のエッジから観ている風景

    先週の土曜日に岡崎乾二郎さんの個展に行ってきた。 1年ぶりに行く場所だったから、「どこだっけ? 」なんて思いながら、スマホさんを頼りにあっちでもない、こっちでもないと色んな道を頼りに会場に向かった。 会場に向かう途中、やたら警官が多いことに気づく。どうやら会場近くの韓国大使館で行事をやっていたようだけどあれだけ物々しい麻布を見たのは初めてだった。 とうとう会場に着いて、スマホで写真をとって、会場に入った。会場に入る前、私はとても幸せな気持ちだった。 私は岡崎さんの作品が大好きだ。 色々な色の世界が自由に踊っていて、なんだか嫌な外の世界を忘れられるような感覚になる。私の周りの世界が単色になっていく中で、岡崎さんの作品の中だけは私に自由の喜びを教えてくれた。 会場に入った時、何か違和感を感じた。 いつもの岡崎さんじゃない。 なんかどこかどんよりとした霧というか、靄がかかったように思えた。 そし

    色の無い世界への入り口 - 私のエッジから観ている風景
  • 大統領のどこに問題があるのか? - 私のエッジから観ている風景

    朴槿恵大統領が危機に立たされている。以前、このブログでは私の中の「在日」という視点から書いてみた。韓国国内で語られる「独裁」と「民主化」の語り継ぎを私のような在外の人間、それも、もはや韓国籍を失って、日籍になっている私にどのようにして語られているかがテーマだった。 だが、そもそもこの朴槿恵問題について理解されていないことの方が多いと感じた。ある人からすればなぜ韓国がここまで騒いでいるのか?と思っているだろうし、残念ながら「韓国政治特有の問題」として片づけてしまう人たちも居る。 そのような対岸の火事としての朴槿恵のスキャンダルだが、どうしてここまでデモが起きるのだろうか? 事の発端から説明していくと、大統領の友人であった崔順実の事務所で処分されたデバイスから大統領に個人的にアドバイスをするということを称して、かなりの国政介入が行われていたということが発覚した。それだけではなくて、大統領が崔

    大統領のどこに問題があるのか? - 私のエッジから観ている風景
  • 「綺麗ごとなんかいらないよ」と言う人たちへ - 私のエッジから観ている風景

    あのトランプが当選した。 まさかの結果に唖然としていた。普通、トランプみたいな候補は予備選で振るい落とされるなんて思っていたけれど、そんなことはない。 トランプは確かに当選してしまった。 様々な世論調査によればヒラリーが優勢ということだったし、まさか女性蔑視や外国人を蔑視する人間が当選することはないだろうとは思っていたけれど、最後までヒラリーに対して、優勢な投票傾向は変わらず、最後は大統領の椅子をゲットした。 ヒラリーの支援者が昔からアメリカで言われている選挙人制度の欠陥を言い出しているがそれは余りにも悪手だ。 確かにポピュリストを選ばないために設けた選挙人制度でこんな結果になったのは皮肉だが、勝敗が決してしまった以上、後出しジャンケンのように言うのは何かずるい。 ただ、それだけヒラリーを支援した側にも危機感があったということだろう。 その気持ちは分からないではない。 外国の選挙を観ていて

    「綺麗ごとなんかいらないよ」と言う人たちへ - 私のエッジから観ている風景
  • 彷徨い続けた画家 - 私のエッジから観ている風景

    先日、馬喰町で開かれているジミー・ミリキタニ展に行ってきた。ジミー・ミリキタニについては大学時代に受けていた文化人類学の授業で映画を通して知っている人だったけれども、こうやって、ジミー・ミリキタニという人の作品を観に行くのは初めてだった。 このブログを読んで「ジミー・ミリキタニって一体誰?」と思った人が多いと思う。 ジミー・ミリキタニことジミー爺さんはニューヨークのストリートで絵を描き続けていたホームレスのおじいちゃんだ。 ホームレスのおじいちゃんなので誰かから貰った色鉛筆やマジックで絵を描いている。 その絵を見てみると一見可愛らしい絵に見えるのだけれど、何か圧倒するものが宿っていて、そんな圧倒する何かと色鉛筆で描いた綺麗な色彩に引き込まれていく。 そんな絵を描くジミー爺さんを追ったドキュメンタリー映画である「ミリキタニの」では、ジミー爺さんの知られざる人生を追っている。 ジミー爺さんの

    彷徨い続けた画家 - 私のエッジから観ている風景
  • 「歴史」の中で生きていく - 私のエッジから観ている風景

    朴槿恵が辞めるか辞めないかの瀬戸際に居る。今日も韓国では大統領の辞任を求めるデモがあったようだ。最近、日と同様にデモを起こしても意味は無いんじゃないかというような空気感があったのにかなり驚きだ。日でも漂うような冷笑的な空気をぶっ飛ばしてしまうくらい韓国に住んでいる人々が怒っているということだと思う。 そもそもこんな事態になってしまったのは、朴槿恵が親友である崔順実に頼って政治を行っていたばかりか、大統領が彼女に相当便宜を図っていたということが分かったことからだった。一部の報道では崔順実がムーダン(沖縄で言えばユタのようなもの)で、そんな崔順実のお告げを聞きながら政治を行っていたという話すら存在する。さらに面白いものでこの報道に対して韓国のムーダン全国協会が崔順実がムーダンではないということ、来のムーダンとは神と人とを結ぶ役割であるということをわざわざ声明として発表した。確かにムーダン

    「歴史」の中で生きていく - 私のエッジから観ている風景
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