韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の側近で、法相に任命されたチョ・グク氏に関連する不正疑惑が相次ぎ浮上するなか、政権を擁護する“御用新聞”とも揶揄されてきた左派紙「ハンギョレ」で事件が起きた。疑惑の追及に消極的な社の編集方針に反旗を翻し、若手記者が編集局長の辞任を求める連名の声明を発表したのだ。あからさまで痛烈な表現を用いた批判からは、政権支持勢力の内部に存在する世代間の葛藤も垣間見える。(外信部 時吉達也) 「『ハンギョレ』が恥ずかしい」。そんな書き出しで始まる声明は今月6日、入社7年以下の記者31人による連名で発表された。きっかけは、チョ氏を批判する司法担当記者のコラムが「局長の指示」を理由として、ホームページ掲載の4分後に削除されたことだった。チョ氏の疑惑に言及するたび「一方的に記事のトーンを弱め、タイトルを変更させられる」(声明)と不満を募らせていた記者らの怒りは爆発した。 声明