中国の不動産大手、中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)への懸念がくすぶり続けている。負債総額は1兆9665億元(33兆3000億円)と巨額で、経営破綻すれば、世界的な経済の下押しや金融危機にもつながりかねないとの見方が出ており、中国政府が救済に乗り出すかが注目されている。だが、中国経済の動向に詳しい専門家に話を聞くと、意外な答えが返ってきた。 恒大は1996年、中国南部の広東省広州市で創業。従業員数人の小さな会社からスタートし、中国の不動産ブームに乗り急成長した。2020年の売上高は5072億元(約8・5兆円)、住宅販売は中国2位で、従業員数は約20万人に達する。創業者の許家印氏は、中国の出版系シンクタンクによる17年の長者番付で、資産2900億元の首位になったこともある。 だが、事業拡大に伴い借り入れが膨らみ、21年6月末時点で有利子負債は約5700億元まで拡大した。20年秋ごろから資