戦後の短い期間で、日本は職業構造の変化と学歴の上昇が同時に起こった。そして、職業配分メカニズムは、メリトクラテッィクな選抜の影響を強く受けるようになった。 この変化によって、教育において階層の影響は見えにくくなり階層という視点は消えていった。同時に、個人の能力による序列化を問題視する考え方が定着していった。 しかし、実際には階層の影響はなくなっておらず、そのような教育観によって、階層間のインセンティブディバイドをもたらし。 戦後の職業構造と選抜の変化 戦後、学校を卒業した農家の子弟はマニュアル職に従事するものが多かった。義務教育終了年限が上昇し(「見えざる学歴上昇」)、義務教育卒業者の製造業への就業が容易になったことがその要因としてある。 高校進学率が上昇した60年代以降は、高卒がマニュアル参入者の中心となった。同時に、父親がマニュアル職の家庭の出身者が高校を経てマニュアル職へ参入するよう