この3月で法政大学を定年退職する教育評論家の尾木直樹氏。教員生活44年の「集大成」ともいえる教育指南書『取り残される日本の教育 ~わが子のために親が知っておくべきこと』を上梓した。 「世界的にみると、日本の教育レベルは低くなっている。いま、日本の教育が危機的状況にあるということを、もっと多くの人に深刻に受け止めてほしい」という思いから綴ったという本書の一部を特別公開――。 教師200人超が「セクハラで処分」 教師たちの中で、昨今、「このまま子どもの教育を任せて大丈夫だろうか」と心配になるようなさまざまな問題が起こっています。 2014年度の教職員のうつ病などの精神疾患による病気休職者数(公立学校)は、全国で5045人に上り、2007年以降、5000人前後で高止まり状態が続いています。 同年度にわいせつ行為やセクシュアルハラスメントで処分された公立学校の教員は、過去最多の2013年度と同数の