魚介類にひそむ寄生虫「アニサキス」による食中毒被害が相次いでいる。胃を突き刺すように侵入し、下腹部の激しい痛みや嘔吐を引き起こすとされる。この食中毒を防ぐため、創業以来30年以上に渡り、アニサキスと戦い続けてきた水産加工会社がある。「日本の生食文化を守りたい」との一心で試行錯誤を重ね、昨年6月、切り身に電気を瞬間的に流してアニサキスを殺虫する画期的な装置を開発した。開発秘話を社長に聞いた。 【画像6枚】電気ショックで「アニサキス」撃退!世界初の装置 「暗闇の中で一筋の光が差したような気持ちでした」 開発の成功をこう振り返るのは、福岡市の水産加工メーカー、ジャパンシーフーズの井上陽一社長だ。同社は1987年設立。主にアジやサバの生食加工品を手掛け、スーパーマーケットや飲食店に卸している。アジの生食用加工食品で国内トップシェアを誇る。 ジャパンシーフーズが熊本大学などと連携し開発した「アニサキ