「桐島、部活やめるってよ」という本のタイトルを知ったとき、そのセンスの素晴らしさに驚いた。 だから、逆に反発心が起きた。 なんでこんなセンスのいいタイトルをつけられるんだ!! という単なる妬みである。 へっ、カッコ良すぎる! こやつ若いのに生意気な! と思ったわけですな。 いい年こいて、ジジイの僻みだ。情けない。 それゆえ、この本を敢えて読みたくなかった。 おかげで読むのにこんなに時が経ってしまった。無駄な時間の浪費。 変なところで対抗心など持つべきではないですな。いいオトナなんだから(笑)。 さて朝井リョウ君の鮮烈なるデビュー作。新鮮である。そして強烈である。 現在の高校生のリアルな心情、葛藤。 スポーツ系男子はイカシている、文科系男子はくすんでいる、という高校生独特の不思議なヒエラルキー。 その男子を取り巻く、意識過剰なオトナ感覚の女子たち。 高校生たちの声に出さない気持、言葉にならな