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先日、『攻殻機動隊 SAC_2045』がNetflixで全世界に公開された。 見た人はすでにご承知のことだと思うが、悪い意味で最悪の作品になってしまった。攻殻機動隊SACシリーズファンとしてのぼくの感想を一言でまとめるなら「見ないほうがいい」という一言に尽きるわけだが、この怒りをせっかくなので以下にまとめることとする。 攻殻機動隊 Stand Alone Complexについて士郎正宗原作の『攻殻機動隊』を元に、「もし草薙素子が人形使いに出会わなかったら?」というパラレルワールドを描いた作品が『攻殻機動隊 Stand Alone Complex』だ。魅力的な公安9課のメンバー、笑い男事件という劇場型犯罪、サブエピソードに散りばめられた伏線回収の妙、サリンジャー作品と近未来という一見ちぐはぐな、しかし見事な組み合わせ、これほどのクオリティのアニメにもう出会えることはないのではないかと思わされ
もしかしたらあなたは、毎年クリスマスに『ラブ・アクチュアリー』の上映会を開催したり、サンドラ・ブロックの全作品にめちゃくちゃ詳しい、立派な〈ベーシック〉だったかもしれない。あるいは『JUNO/ジュノ』が好きとか言っておきながら、誰もいないときにこっそり『ホリデイ』を楽しんでいる、(口先だけの)人とは違うクールガールだったかもしれない。いずれにせよ、もしあなたが今20代ならば、ティーンの頃数々のラブコメ映画に出会ってきたはずだ。 ラブコメが人気を博したのは1990年代から2000年代。すなわち、すべてのひとがストレートで、シスジェンダーで、白人で、オフィスの棚にしまってあったサンプルサイズのPradaのワンピースも着こなせてしまう時代であり、世界にはニューヨークしか存在せず、〈うつ〉なんて誰も聞いたことのなかった時代だ。あの時代、コンデナストの女性誌編集部だけが唯一の仕事場だった。それでもよ
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