ブックマーク / nukobook.com (35)

  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『実は、拙者は。』白蔵 盈太 (著) |

    江戸を騒がす幽霊剣士や 正義の盗賊、隠密の忍者など 彼らの行動を目の前にするのだけど どれもが八五郎の知る人物なの。 『実は、拙者は。』白蔵 盈太 (著)双葉文庫あらすじ深川の長屋に住む棒手振りの八五郎は、実入りは少ないが気ままな一人暮らしをしている平凡で地味な男。 ある夜、巷で噂となっている幽霊剣士「鳴かせの一柳斎」が人を斬る現場に出くわす。 剣士の正体は八五郎が良く知る人物だった。 お上に知らせるべきかと悩む八五郎は次々と思いがけない真実を知り、騒動に巻き込まれていく。 噂の幽霊剣士は長屋のお隣りさん!?見事な剣さばき、人とは思えぬ動きで話題となっている「鳴かせの一柳斎」ですが、その正体を知る者はおらず、世の人々を騒がせていました。 そんな一柳斎が旗を襲う現場に出くわした八五郎は物陰に潜み、その剣さばきに見とれますが同時にその正体が隣に住む浪人、雲井源次郎であることに気づき驚きます。

  • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著) |

    え、あの山店長が? いやな予感しかしないじゃん。 そして最大の被害者はやっぱり あの人、ってことになるのかな? 『新! 店長がバカすぎて』早見 和真 (著)ハルキ文庫あらすじ武蔵野書店吉祥寺店に「あの男」が3年ぶりに戻ってきた。 しかし、山猛店長は相変わらず人の気持ちや空気を読まず人を苛立たせる天才。 契約社員から正社員として採用された谷原京子はバカ店長に振り回されながらも新人作家の才能に震え、新入りアルバイトの対応に苦労しつつ、怒り、泣き、笑いながら書店員の仕事に全力で取り組んでいく。 あの伝説の店長?が帰ってきた!朝礼は長く、内容は薄く、必要な時には姿が見えなくなる男、山店長が再び吉祥おじ店の店長に。 毎日のように山店長にウザ絡みされる京子はさすがにげんなりし、その理由をたずねたところ「あなたをこの店の店長にするんですよ」と。 そのための教育だという店長に反発する京子。 店

  • あけまして おめでとうございます |

    『連続殺人鬼カエル男ふたたび』 中山 七里 (著) のイラストブックレビュー制作動画です。世間を震撼させた連続殺人鬼が逮捕された。担当した精神科医の自宅が爆破され、死体が発見される。そしてまたあの犯行声明が…。テキストやイラストが出来上がっていく様子をお楽しみください。

    あけまして おめでとうございます |
  • モデルは著者自身!?毒吐きまくりの出版界ミステリー |

    『作家刑事毒島』中山七里 (著)幻冬舎文庫あらすじ新人賞応募者の原稿を下読みし、講評をつける仕事をしていたフリーの編集者が他殺死体となって発見された。 容疑者は新人賞に応募してきた三人の作家志望者たち。 しかし捜査は思いのほか難航する。 警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香は、人気ミステリ作家と刑事技能指導員という二つの顔を持つ毒島にアドバイスを求める。 出版業会の闇を暴く、毒気たっぷりなミステリー。 容疑者は三人の作家志望者たち編集者殺害の容疑者として負傷したのは、作家志望の三人の男女。 誰もが編集者の講評に納得がいかず、その内容に腹を立て、出版社に抗議文を送っていました。 どの容疑者も自分の才能を疑わず、それを理解できない被害者の方がどうかしている、といった口ぶり。 誰もが事件発生時刻のアリバイもなく、捜査は難航。 上司から出版業会に詳しい人間に話を聞くように言われ、明日香は毒島の仕

  • 芸術の世界が私たちを引きつけるのはなぜなのか |

    はじめに 芸術の世界。 それはある人によっては身近に感じ、見たり聞いたりすることで楽しむものであり、ある人によっては、興味がないものかもしれません。 そんな芸術の世界を描いた小説は数多く存在します。 今回は、中でも浮世絵、人形浄瑠璃、歌舞伎、長唄の世界を描いた小説をご紹介します。 個人的には、歌舞伎は三十年近く前に一度見たきり、あとは役者さんが芸能ニュースで話題になっているのを目にする程度。 演目もよくわかりませんが「唐獅子」と言われれば、ああ、あの長い髪のカツラかぶった頭ををぶんぶんふりまわすやつか?という程度の知識です。 人形浄瑠璃は一層馴染みが薄く、日史の教科書に写真が載っているのを見たかな?くらいの認識。 浮世絵は歌舞伎役者や美人画の絵、東海道五十三次などは、某お茶漬けのパッケージのおまけカードとして入っていたのを眺めていた記憶があります。歌川広重ですね。 どれも「まあ見たことあ

    芸術の世界が私たちを引きつけるのはなぜなのか |
  • ついに「あの方」からお呼び出し!?マリーの運命やいかに!! |

    『親王殿下のパティシエール(5) 皇帝陛下とお菓子の宮殿』篠原 悠希 (著) ハルキ文庫 あらすじ清の第十七皇子・永璘のもと、パティシエール見習いとして働く、仏華ハーフのマリー。 通の詩人・袁枚が長期滞在を終えて去ったあと、静かな日々を送っていた。 そこに、皇帝・乾隆帝から、西洋の建物を模した工芸菓子の献上を命じられた。 マリーは皇帝が宣教師に設計させたという円明園を写生すべく、現地へ赴いたところ、そこには思いがけぬ人々が。 マリー、親王たちに囲まれる!?円明園を視察し、補修工事の見積もりを出すよう名を受けた永璘は、マリーに同行を促します。 皇帝がマリーの工芸菓子を見て、西洋の建物で作ったものをご覧になりたいのだとか。 正式に依頼されたことではないものの、現物を見て作れるかどうか判断すれば良い、と永璘はマリーに伝えます。 永璘とともに円明園へおもむき、その建物や住んだ人々についての説明を

  • 依頼人を犯人に仕立てる!?「お金ファースト」の敏腕女性弁護士 |

    『元彼の遺言状』 新川帆立 (著) 宝島社文庫あらすじ「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」との遺言を残した森川栄治。 栄治の友人だった篠田から「自分を犯人に仕立て上げてほしい」と依頼された弁護士・剣持麗子は、その高額な報酬により、引き受けることに。 ところがその遺言状が入った金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士も殺害される。 麗子の元彼でもあった栄治はどのような意図で遺言状を作成したのか。 そして殺人事件の犯人とは。 元彼が遺した驚くべき遺言状の内容とはとにかくお金に執着し、周囲からどのような目で見られようとも気にしない敏腕弁護士の麗子。 元彼の栄治がインフルエンザで亡くなり、さらに驚く内容の遺言状を残していたことを知ります。 栄治の友人、篠田は栄治が亡くなる数日前に彼を訪ねていて、それがインフルエンザの解熱2日後だったため、自分が犯人だから後見人として証明してほしい、と麗子に頼みます。 思い

  • 全てがつながり、巻き込まれ、そしてまた生まれ出る世界 |

    江戸時代には歌舞伎と同じくらいに 人気を博した時期もあったようよ。 この世界が大好きで、骨の髄まで 浸かっていた半二が、物語を生み出す 様子を描いているの。 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』 大島 真寿美 (著) 文春文庫 あらすじ江戸時代の大坂・道頓堀。穂積成章は父から近松門左衛門の硯をもらい、浄瑠璃作者・近松半二として歩み出す。 弟弟子に先を越され、書き上げたものを見てもらっても使い物にならんと突き返される日々。 それでも書かずにはいられない半二の生涯と、現代に残る名作、「妹背山婦女庭訓」のほか、物語が生まれる様子を軽快な大阪弁で軽やかに、そして情熱的に描く。 うだつのあがらない男の半二だが浄瑠璃の世界が大好きな半二は、一度京に出て、父親の知り合いの老人・有隣軒のもとで気ままな暮らしをしていましたが、有隣軒が亡くなり大坂へ戻ります。 実家は兄の縁談が進み、居場所がない半二は道頓堀で知り合

  • 仮面の宴に紛れた殺人犯の正体とは |

    『マスカレード・ナイト』 東野 圭吾 (著) 集英社文庫あらすじ練馬のマンションの一室で、若い女性の他殺死体が発見された。 そして警視庁に密告状が届く。 その内容は、12月31日にこの殺人事件の犯人がホテル・コルシア東京のカウントダウン・パーティ会場に現れる、というもの。 新田は潜入捜査のために再びフロントに立つ。 コンシェルジュとなった山岸尚美は、お客様の対応に追われていた。 400人以上もの仮装したパーティ客の中から犯人を探し出すことができるのか。 ネットによる匿名の通報で発見された女性の死因は、電気コードを体に貼り付け電流を流されたことによる感電死でした。 警視庁に届いた密告状により、再び潜入捜査に駆り出された新田ですが、パーティの内容を聞いて唖然とします。 規模は数百人、しかも仮装のため、素顔も見えない。 警察は何とかして不審者を見つけ出そうとしますが、その行きすぎた行為からホテル

  • 血脈のように広がる物流を止められた東京を襲う悲劇 |

    『東京ホロウアウト』 福田 和代 (著)創元推理文庫あらすじコロナ禍であり、オリンピックの開催が間近に迫った東京で、配送トラックの荷物に青酸ガス入りの荷物が積まれるテロ事件が次々と起こる。 さらに鉄道爆破、高速トンネルでの火災も発生し、交通が麻痺状態に。 料品は届かず、ゴミがあふれる東京は陸の孤島と化した。 この危機を救うために立ち上がったのは長距離トラックドライバーたちだった。 燕エクスプレスのセールスドライバーが荷物の異臭と体調不良を訴えます。 調べると、その荷物は青酸ガスが発生する仕組みになっていました。 長距離トラックドライバーの世良は、先輩であり友人であるハマさんが事件に関係していることを知り、彼を捜します。 ハマさんが出頭した後も様々なテロ事件が発生。 物流が滞ってしまった東京は、スーパーの棚から品が消えます。 さらにゴミ処理場への道も被害に遭い、処理できないゴミが街中にあ

  • 「未来が見える」って幸せなこと? |

    『てんげんつう』 畠中恵 (著) 新潮文庫あらすじ若だんなの前に「てんげんつう」と名乗る男が現れた。 千里眼を持つこの男は、あらゆるものが見えるために人々に嫌われてしまう。 何とかして欲しい、と若だんなに頼み込むだが…。 一方、仁吉に惚れてしまった天狗の姫が、なんと若だんなの祖母・おぎんに勝負を挑む。 そして許嫁である於りんの実家には数々の災難がふりかかり…。 大人気「しゃばけ」シリーズ第18弾。 世話をしていたから「てんげんつう」という千里眼を手に入れた男は、未来のことから人の心まで、あらゆることを見通せます。 そのために疎まれたり、時には命を狙われたりすることもあり困っているので、若だんなに助けてほしい、と訴えます。 勝手な言い分に腹を立てる手代の佐助は断りますが、若だんなの周囲で様々な災難が起こります。 先を見通せるてんげんつうを相手に若だんなたちが考えた作戦とは。 また、仁吉に惚

  • ようやく辿り着いた 自分が目指す菓子づくりとは |

    『神様の果物 江戸菓子舗照月堂』 篠 綾子 (著) 時代小説文庫 あらすじ照月堂を離れ、母代わりである了然尼が建立中の寺の庫裏で、了然尼と暮らすなつめ。 そこへ、十年前の火事で生き別れとなった兄・慶一郎が突然訪ねてきた。 そして慶一郎の口から当時の真実が語られる。 京の菓子司・果林堂の御曹司で江戸遊学中の長門から様々な刺激を受けつつ、なつめは今後自分がどのような菓子づくりの道を目指していくべきなのかを模索する。 十年前、今日で起こった火事により、両親を失い、兄と生き別れ天涯孤独の身となったなつめ。 了然尼とともに江戸で暮らしていましたが、兄の慶一郎が訪れ、兄妹は十年ぶりの再開を果たします。 そして慶一郎は火事が起こった時の真相を明かすのです。 衝撃を受けながら、自分の中で事実として消化したなつめは、いつかいっしょに父母の墓参りへ行こう、と慶一郎に提案します。 一方、長門の菓子の知識や腕に刺

  • 物語のために「女が死ぬ」とき、現実世界で「女が死ぬ」とき |

    『女が死ぬ』 松田青子 (著) 中公文庫あらすじ「ねえねえ、そんなにいいの、ボンドって?」新人の潜めた声に、会場は一瞬静まりかえる。 そして目も眩むような美女たちがあれこれと感想を語りはじめる(「ボンド」)。 あなたの好きな少女は細くて、可憐で、はかなげだ。 間違っても、がははと笑ったりはしない。では、がははと笑う少女はどこに行けばいいのか(「あなたの好きな少女が嫌い」)など、女であることの窮屈さ、うっとうしさをシニカルな目線で描く五十三の掌編集。 女が死ぬ、女が結婚する、女が妊娠する、女が流産する、女がレイプされる。 それぞれ物語において持つ意味を説明していきます。 映画を観終わったカップルは、帰り道に血を流して死にそうになっている女を発見。 男が思わず「最後に言いたいことはないですか?」と声をかけると…(「女が死ぬ」)。 男性ライターが男性ならではの感性で提案した男性向けの新商品は、世

  • 琵琶湖に生きる民たちの存続をかけた戦い |

    『偉大なる、しゅららぼん』 万城目学 (著) 集英社文庫 あらすじ高校入学のタイミングで、琵琶湖畔の街・石走にある日出家にやってきた日出涼介。 家の跡継ぎであり、その殿様ぶりをナチュラルに醸し出している淡十郎の「お供」として、彼の言動に振り回される日々。 日出家は琵琶湖から特殊な能力を授かった一族。 その日出家のライバルであり、同様に特殊能力を持つ棗家の長男・棗広海と同じクラスに。 そして彼らはその力を使った戦いを繰り広げる。 物を動かしたり、人の思考を読めるといった特殊能力を持つ日出家の人間として生まれた涼介は、高校入学を機に、日出家に世話になることに。 師匠について、能力の修行に励みつつ、学校へと通います。 城に住む日出家の長男・淡十郎は、思い通りにならぬことなど何ひとつない、まさに天然の殿様ぶり。 同じクラスには日出家のライバルである棗家の長男・広海の姿も。 反発し合う間柄の

  • 聖母になりすました女の正体とは |

    『鏡の背面』 篠田節子 (著) 集英社文庫あらすじ薬物依存やDVなどで心的外傷を負った女性たちの施設で火災が発生した。 施設を利用する女性たちやスタッフに「先生」と慕われていた小野尚子が、建物に残された赤ん坊を助けるために火中に飛び込み、赤ん坊は助かったが尚子は焼死した。 残されたスタッフが警察から受けたのは「遺体は別人だった」という連絡。 聖母と呼ばれた女性は何者だったのか。 警察からの連絡を受け、驚いた施設代表の優紀は、以前尚子を取材したライターの知佳に事情を話します。 焼死した半田明美、つまり小野尚子になりすましていたと思われる女性は、元女優であり、関わった男性数人が不審死を遂げていました。 過去の明美を追っていたライターの長島からの話や、小野尚子が何度も通っていたというフィリピンへ向かい、知佳は明美と尚子の接点を探します。 そして見つけた真実とは。 まとめ手に入らない、両親や異性か

  • 自由すぎる老人登場で新たな世界の扉が開く |

    『親王殿下のパティシエール(4) 慶貝勒府の満漢全席』篠原 悠希 (著) ハルキ文庫 あらすじ清の第十七皇子・永璘お抱えの糕點師見習いとして北京で働く仏華ハーフのマリー。ようやく謹慎が解かれ、新しい厨房で働きはじめることに。 永璘の意向で新たに雇われた江南の厨士、超有名なグルメ詩人・袁枚が登場し、慶貝勒府は賑わう。 そして若き「親王」も現れて…。 謎の老人の正体は超有名人!?結婚して慶貝勒府を出た同僚を訪ねた帰り道、マリーは1人の老人とぶつかります。 老人は、厨士であるマリーに、甥が王府の厨房で働いているかを確認したいこと、西洋の点心を味わいたいことを伝えます。 老人は通であり、清国でとても有名な詩人、袁枚でした。 永璘は早速袁枚を招待し、滞在させます。 マリーは袁枚のためにフランス菓子を作り、提供しますが、袁枚の怒りを買ってしまい…。 また、新たに雇われることになった江南の厨士・大河。

  • 山奥深くに存在する隠れ里の正体とは |

    『くさまくら 万葉集歌解き譚』 篠 綾子 (著) 小学館文庫 あらすじ万葉集ゆかりの地である伊香保温泉への旅へ行くことになった伊勢屋の一人娘・しづ子、母親の八重、手代の庄助と小僧の助松、そして女中のおせい。 護衛役として、陰陽師の末裔、葛木多陽人が同行する。 無事に一行は到着したが、道中気になることがあったとして多陽人は別行動をとったが、約束の時間になっても戻ってこない。 庄助と助松は多陽人を探しに烏川の上流へと向かうのだが…。 道中、万葉集にちなんだ場所を通り、しづ子によるその歌と意味を聴きながら、伊香保温泉へと到着した一行。 しかし、多陽人は道中で気になることがあったため、確認しに行きたいと申し出ます。 出かけたまま戻らない多陽人を探しに庄助と助松は川を遡りはじめます。 するとあたりに霧が出始めたかと思うと、なんと白い虹が出現します。 霧が晴れると、そこにはないはずの村があらわれて…。

  • 髪型が変われば人生も変わる!? |

    『かみがかり』 山 甲士 (著) 小学館文庫あらすじ学校法人の総務課で働く須川沙紀は後輩にも強いことが言えない性格。 ワンマン経営の理事長の命令のまま、架空の議事録まで作らされていた。 気分を変えようと、初めての理容室に行った沙紀はうたた寝をしてしまい、起きると今までと違った印象の自分が鏡に映っていて…。 夫と離婚した女主人が一人で経営する理容室で、気さくな彼女の話を聞いているうちに気持ちよくなり、ついウトウトとしてしまった沙紀。 目覚めて鏡に映っていたのはこれまでとは違う、キリッとした細眉が意志の強さを感じさせる自分の顔。 そんな顔に合わせて行動や発言もなぜか変わってくるのです。 まとめ鏡に映る自分の姿は自分に対して「こんな人間だよ」と情報を与えています。 第三者の手で思いも寄らぬ見た目にしてもらえたら、奥深くに眠っていた別の自分が覚醒するのかも。 そんな、これまでと違う自分が持つ新し

  • 人の心に寄り添い、その心を震わす菓子づくりを目指す |

    『しのぶ草 江戸菓子舗照月堂』篠綾子 (著) 時代小説文庫 あらすじ照月堂の主・久兵衛の菓子づくりの才能を警戒し、様々な妨害を仕掛けてくる上野氷川屋の主人・勘右衛門。その娘であるしのぶは、友であるなつめや照月堂の皆に申し訳ないと落ち込んでいた。しのぶに元気を出してほしいなつめはある約束を持ちかける。 氷川屋は、久兵衛の弟子である辰五郎の引き抜きがうまくいかなくなると、照月堂が最初に売り出したたい焼きを「元祖」と主張し、辰五郎の店の売り上げは落ち、窮地に追い込まれます。そんな父の行為を申し訳ないと落ちこむしのぶのために、なつめはしのぶの「思い出の菓子」を作ることを約束するのですが…。 まとめ新しい菓子が出れば真似するものが後をたたない状況のなかで、真似されたくやしさに目を向けるのではなく、自分たちがどのような歌詞を作りたいか、そのために何ができるかを考え続けていくからこそ、人の心に響く菓子が

  • それぞれの心の扉が少しずつ開いていく |

    『違国日記 5』ヤマシタトモコ (著) 祥伝社あらすじ事故で両親を亡くした中学生の姪、朝を引き取り、手探りで同居生活をはじめた人見知りの小説家、槙生。 朝は高校生となり、日々の生活にも慣れてきたように見えたのだが、朝の母親が遺していた日記を読み、朝の心は大きく揺れる。 槙生と姉、つまり朝の母親は仲が悪く没交渉。 その姉が遺していた日記は娘の朝に宛てたものでした。 常識や人と異なることを嫌う完璧主義の姉の、それまでと違った印象に戸惑う槙生。 一方、いろんな感情が不満となって渦巻いていた朝は、絶対的な愛情を与える親を喪った深い絶望を覚えるのです。 まとめ人見知りで孤独を愛する槙生は、辛い思いをしている朝に優しい言葉をかけることはありません。 相手が欲しがる言葉を安易に与えてはくれない槙生ですが、寄り添い見守ってくれているのです。 孤独や悲しみとの付き合い方を教えてくれるコミックです。 <こんな