ニューヨーク・ラテンの筆頭として長く活躍したパーカッショニスト、ティト・プエンテ。サルサという言葉がまだジャンルとして確立する前の1950年代から、彼は頂点に立つバンド・マスターだった。 ティト・プエンテの、その若き日の名作4枚が、この夏に発売された。『ダンス・マニア』『キューバン・カーニヴァル』『トップ・パーカッション 』『タンボー』…どれも日本初CD化だが、アナログ・ディスクの時代から長く愛され続けたアルバムだ(紙ジャケ使用)。 『ダンス・マニア』(BVCJ-37436) は1958年に発表された作品で、プエンテ・オーケストラの典型パターンともいうべきダンス・チューンが並んでいる。 ボーカルはこの時代から長年の相棒となったサントス・コローン。彼は一見したところ、女性的でその線の細い声質が何か頼りなさそうな印象を与えるが、しだいにこれこそが白人系プエルトリカンの味わいであることが身に染み