'05年の6月12日、スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の学位授与式において、卒業生に対するはなむけのスピーチをした。彼自身はスタンフォード大の卒業生ではないが、妻のローリーン・ジョブズの出身校であり、アップルと同じシリコンバレーにメインキャンパスを持つ教育機関としてアップル製品の導入にも熱心な大学ゆえ、自ら運命を切り開いてきた稀代の経営者に白羽の矢を立てたのである。ここでは、その抄訳を通じて、キーノートとは趣の異なる彼自身のストーリーを味わうことにする。 ●何かを信じて進むこと 本日は、世界で最も素晴らしい大学のひとつから学位を授与される皆さんとともに、ここにいられることを誇りに思います。実は、大学を出ていない私にとって、これは卒業式に最も近い経験なのです。今日は自分の人生から学んだ3つの話をしようと思います。 最初のストーリーは、点をつなぐということについて。 私はリードカレッジ