能楽は約700年前に現在の姿に大成されたという。世界最古の演劇で、ユネスコの世界無形文化遺産にも指定されている。能楽はいかにして21世紀に伝えられてきたのか。観世流の家元に、能楽研究の第一人者が聞く。 観世 清和 KANZE Kiyokazu 1959年、二十五世宗家・観世左近の長男として生まれる。4歳で初舞台を踏む。90年、家元を継承し、二十六世観世宗家として、現代の能楽界を牽引する。96年、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。99年、フランス芸術文化勲章シュバリエ賞を受賞。フランスはじめ、アメリカ、インド、中国などで海外公演も積極的に行う。重要無形文化財(総合指定)保持者、(社)観世会理事長、(財)観世文庫理事長。(一社)日本能楽会常務理事。(独)日本芸術文化振興会評議委員。東京芸術大学音楽学部講師。 攻めと守りによって継承された700年の伝統松岡心平 能楽がユニークなのは、舞台から台本、演